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パタンナー副業体験談

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副業なのか複業なのか、パラレルキャリアにダブルワーク。

呼び名は様々ですが、当たり前になった「副業」という選択。
今ここで私が「副業いいぜ!」なんて声を上げることはしませんが、私の「パタンナーとしての副業体験談」を書いておこうと思います。


今でこそ大手企業が副業解禁などニュースに取り上げられていましたが(それも遠い昔のようだ・・・)アパレル業界は露知らず。
FAXで仕様書を送りあい、延々と電話を掛け続け、メールに画像添付する方法すら知りません。(誇張してませんマジです)

それくらい時代錯誤しています。むしろプリミティブ過ぎてもはやクリエイティブです。
ことに「パタンナー」といわれるアパレル技術職は、より閉ざされた空間でひっそりひっそりと生きています。


私は技術職ほど副業すべきだと思います。


私がそう思う最大の理由は「技術職ほど、多様な価値観に触れるべき」だと信じているからです。

技術で勝負している人間が、自分の生み出したものを、個の価値基準のみに評価され続けていて良いのでしょうか?
「個の価値」とは「会社」のことです。ひいては「ブランド」のことです。「デザイナー」や「MD」のことです。端的には貴方を評価する「人」です。

今の時代に、ひとつの価値基準からのみに評価され続けていたら、そこに技術者としての成長は無いと思います。
私は「会社の為」に何かを失って洋服をつくる「技術者」を何人も見てきました。


私の尊敬する技術職の先輩は、自分の美意識を持ち 常に新しい挑戦をしています。


それを目指す第一歩として「副業」は適していたんだなあ。と今になって思います。

私が副業を始めるキッカケとなったのは、このBlogです。
分解して知り得た古着の魅力や構造をBlogに垂れ流していたところ「その古着のイメージでパターンを引いてくれませんか?」と、問い合わせがくるようになったのです。

それがもう、どんなに嬉しい事だったか。
当時22歳。終電もまわった暗闇のオフィスで小躍りしたのを今でも覚えています。


しかし、同業者なら言わずもがな。
パタンナーは激務です。(もちろん会社によりけり)
その時は麻痺してて気付かないですが、とんでもない環境でした。


それでもなお、寝る間も惜しんで副業を続けられた理由は「新たな価値」に「言葉」に「美意識」に飢えていたからです。
自分のつくった洋服が、知らなかった視点から言葉に置き換えられるさまは技術職として最大のエネルギーとなりました。


ここまで読んで「わあスゴイ私も洋服づくり頑張ろう!」と、目をキラキラ輝かす若手の方はそのまま自分の好きな洋服をつくり続け発信して下さい。

「けっ!そんな綺麗ごと並べやがって、金だよ!金!!!オレは金が欲しいんだよ!!!!」と、充血した目で迫る中堅社員も私は好きです。


では、答えます。
私の場合、月平均3~5万円の収入がありました。
社会人歴5年半の中で、副業は4年程していたのでトータル200万ほどは会社と別に収入があったことになります。
私はこのお金で、スーツの塾に通っていました。
学生時代に紳士服を専攻しておりスーツが大好きでしたので、社会人になっても学び続けていました。



そうしてパタンナーとしての仕事で副業を続けていく内に、思わぬ転機が訪れます。
それは、セミナーの打診でした。
自身のものづくりに活かす為やっていた古着の分解研究が、気付けば公に向けて発表し伝える仕事にもなっていったのです。
その記念すべき第一弾はこんな様子でした。この経験は、会社に籠っていたら絶対に味わえないものでした。


副業での経験があってこそパタンナーという職人気質な仕事でも、たくさんの人に出会え多くの価値観に触れることが出来ました。それが自分のものづくりを深める最大の要因になったのは言うまでもありません。


貴方の技術の価値を判断する人がひとりで良いはずがありません。
その意味で私は、技術職ほど副業して自分の場所を見つけてほしいと思うのです。






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