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個展から1年が経ちまして。

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ちょうど1年前の2016年10月15日。

「半・分解展」という初の個展を京都からスタートしました。


「個展を全国でやるぞ!」


と鼻息荒く意気込む、当時の私のスペックは・・・

・独立2ヶ月目。
・仕事あんまりない。
・金ぜんぜんない。

という、お手本のような低スペック。 にもかかわらず「子供は生後10ヶ月」という重装備。

そんなステータス異常にも取れる状態で 無名のおっさんの個展だけど入場料は1,000円頂きます。!
という暴挙にでました。

が、奇跡的にSNSでバズり、京都・愛知・東京での合計2週間の開催で1400人以上の方に足を運んで頂きました。(単純計算で1日100名)

たくさんの人への感謝の気持ちと共に「赤字にならないで良かった・・・」という安堵が先にありました。
何故かというと、初期投資に80万ほど掛かり、お金が足りないので妻から借りていたのです。無事に返済できました。笑



そんな 半・分解展 から、丸1年。
この1年で私にどんな変化があったのかレポートしておきます。


目次

  • 個展活動だけでゴハンを食うのは、まだまだ無理


  • でも本業への仕事に繋がった


  • その他、思わぬ仕事に繋がった





  • 個展活動だけでゴハンを食うのは、まだまだ無理

2016年10月~12月の 約3ヶ月 を個展活動に費やしました。
この期間中は、本当にたくさん人たちに出会え、心から楽しいと思える時間でした。

これまで「洋服をつくる」ことで、人に評価をしてもらったり・お金をもらったりしていましたが 「洋服を壊す」 ことで、こんなに多くの人から反応を頂けるとは思ってもみませんでした。

個展前日の夜中、分解した100年前の衣服を、板に打ち付け標本にし、壁に掛けた瞬間「これならいける」と確信を持ちました。
「これは人の心を揺さぶるものだ」と、改めて思ったのです。

と同時に「衣服を標本にすることは、つくることよりもエキサイティングじゃないか。もう、これだけをやって生きていきたい」とも思いました。

しかし、現実問題として個展活動のみで食べていくことは至極困難で、赤字にならない様にするので精一杯です。
それでも、あの夜の感動は忘れられず、この1年間積極的に取り組んできました。
(夜遅くまでアシストしてくれた長畑さん、本当にありがとうございました)





  • でも本業への仕事に繋がった

では、ハイリスクで挑戦した個展が、全くお金に変わらなかったのか?というと、そんな事はありません。
私の本業である「モデリスト」という仕事に大きく影響を及ぼしました。

個展終了後から、国内外のブランドから新製品開発の依頼がきました。
自分ひとりでは捌ききれないほど仕事が来て、仲間の助けを借りながらこなしていきました。

「半・分解展」というものが100年前200年前の衣服を分解する内容だったので、仕事の依頼も「あの半・分解展にあったジャケットをつくりたい」という様な依頼が多く、私の得意分野で楽しく仕事ができました。

結果的に、ハイリスクで挑戦した個展からは、それなりのリターンが返ってきたのです。





  • の他、思わぬ仕事に繋がった

「モデリストの仕事としてリターンが返ってきそうだな」というのは、あらかた予想もしていました。
ところが、思わぬ仕事?に繋がることが多くありました。
それは、個展終了から半年ほど経った頃に訪れます。

カツセ マサヒコさんライティングで「ジモコロ」に掲載させて頂いたのです。

私の一般的ではない仕事を、上手く噛み砕いて紹介して頂き、誰が読んでも笑える記事にしてくれました。
ヤンキー御用達の『短ラン詰職人』世界へ というタイトルは一見するとふざけたものですが、カツセさんが一生懸命に考え、生み出してくれたものです

その記事が公開され、さらに半年ほど経った2017年9月・10月に・・・

BOOKSTAND.TV ニッポンお仕事図鑑~匠の仕事場~

NHK 人生デザイン U-29
というTV番組への出演に繋がっていきました。 これを巷では「カツセマジック」と呼びます。

そして同時期に 名古屋ボストン美術館 や 某大手アパレル企業 からセミナーの依頼を頂き、個展とは違った形で半・分解展を伝えることが出来ました。




これからも「衣服の標本」をつくり続けます


まさか個展から1年後にTVに取り上げられるとは、当時思ってもみませんでした。

この1年を例えるならば 「水面に水滴が落ちて、波紋が広がっていく」 正にそんな感覚でした。
円を描くように広がっていく先は、見たことのない景色ばかりで気持ちの良い経験となりました。

しかし、波紋も徐々に穏やかになっていきます。

元来私は、深く掘り下げることで自分自身を見出してきました。
これからの1年は、昔と同じように自分の居る場所を深く々く掘り下げていきます
そうして、また 一滴を搾り出す ことに集中します。

誰にも真似できない、純度の高いものを提供できるように頑張ります。

(色々と相談にのってくれた石坂昌也さんに最上級の感謝を・・・)



というわけで、個展からの1年を振り返ってみました。

2017年も残り3ヶ月を切りました。
今年中に出来ることは進めていきます。



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