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半・分解展 ~東京~ 開場まで残り2週間となりました。

無料のガイドツアーの予約や、期間中に行われるトークショーの前予約などコチラからお願いします。
東京展の日程はコチラをご確認下さい。


有難いことにガイドツアーの予約は、既に40名以上の方に申し込み頂き、空席は残り僅かとなっております。
ご興味ある方は、お早めに申し込みの程、宜しくお願いします。

言葉ではいい表すことのできない 「感じ」 を、察知するヒントを解説させて頂きます。


「なんで分解してしまったんですか?勿体ないと思わなかったのですか?」

これは、京都・名古屋と巡回中に最も多く頂いた質問です。
博物館クラスの衣服に鋏を入れてしまう行為に驚かれる方が多くいました。(実際にヨーロッパの博物館から仕入れた衣服もあります)

この問いに対する私の回答は 体験・体感て欲しいから。です。 

極端にカーブした18世紀末の袖
分解しない方が勿体ないと思うのです。
ガラスケース越しにしか見ることの出来ない衣服こそ、多くの人の目に触れるべきで有り、更には裏の裏まで見て、触り、着て、嗅いで、味わうべきなのです。
私は、そうしたい欲求を抑えることが出来ませんでした。

貴方の肌で、本物を感じて下さい。

多分そうでもしないと、後世に残らないと思うのです。
私は「感動」を繋げる為に生きていきたいのです。

機能的な設計の20世紀初頭のラウンジスーツ
「長谷川さんは、どなたですか?」

この質問も地味に多く頂きました。

恐らく、挨拶が出来なかった人の中には、私のことを 「服好きな受付の兄ちゃん」 と思ったまま帰られた方も居るでしょう。

何故か、初老の研究者が開いてる個展だと思われているそうです。
一応、平成生まれなんですけどね。 可笑しいですね。

腕を振っても窮屈感が少ない
「こんなに分解するの大変じゃありませんでしたか?」

これもよく聞かれましたが、大変でした。
ただ、分解ワークショップを企画し、敢えて私以外の方達に分解して頂きました。
(今回の写真は全て、名古屋で行ったワークショップ時のものです)

ワークショップという手段を選んだのには、大きな理由があります。
それは、「みなさんは、この衣服をどう感じるのだろうか?」 ということに興味があったからです。


永い年月を経て、現代に現れた衣服は、もはや「ファッション」と呼べるものではありません。

感じ方によっては「芸術」の域に達していると思うのです。

そんな衣服が、参加者の目にはどのように映るのか。何を感じ、何を見出すのか。
それが今後、私の研究のヒントになるような気がしたのです。

ただ、長年に渡り集めたコレクションに、鋏を入れらるのを見るのはツライものがありました。。。自分で企画したんですけどね。


「分解した衣服は展示後どうするのですか?」

やはり、これも多く頂いた質問です。

まずは型紙の答え合わせします。
実は、分解される前に型抜きをしている衣服が幾つかあるんです。
バラしたものと照らし合わせて、型抜きの精度を確認しようと思います。
生業がパターン業務なので、技術向上の為にも、まずはこの様な作業をしようと思います。

そして、今後やりたい事があるんです。


この衣服を様々な分野のクリエイターやアーティストの方達と再構築したいです。

洋服の形に戻らなくても結構です。
この歴史的資料を使って、何か新たな価値を生み出せたら良いなあ。なんて企んでいます。
個人的にはフロックコートでカラスをつくりたいです。黒いので。

ご興味ある方は、是非ご連絡下さい。


あとは、写真集をつくろうか。?
九州でも半・分解展を開催しようか。??

なんて話しもあったりします。
招待して頂ければ、何処へでも半・分解展は向かいます。!


そして、親愛なる中野香織先生に、ご自身のBlogにて半・分解展を紹介して頂けました。
その内容を一部(殆ど?)抜粋します。

この展示を見ておくべき理由は、次の3つです。
・通常であれば、博物館に収められ、一定の湿度・温度のもとに管理され、専門家が手袋をはめて大切に扱うような価値ある歴史的資料を、長谷川彰良が給料の大半をはたいて自分で購入し、ざっくりと鋏を入れて分解してしまったという、世界でもほぼ前例をみないチャレンジであること。
・この試みにより、過去、人々が衣服制作にかけてきた技術とそれを支える考え方が明らかになり、現在と未来の技術者に大きな刺激を与えるはずであること。3Dプリンターであっさりと服を作ることができる時代において、人の手が作る服の意味を考える格好の機会になること。
・まだ20代の、無名の技術者が、自分の信じることのために全キャリア、全財産をかけた試みであり、どの企業からもスポンサードを受けていないこと。分解された古着にさほど関心はなくても、このような若者の心意気を「支援」し、ひとりひとりがパトロンになったつもりで入場料くらいは快く払ってあげることが、日本の若者の希望につながること。

非常に有難いお言葉です。。。

そして、忘れてはいけないのが、この一文。

12月11日のトークショウでは、、普段あまり表に出ない技術者が、服作りの現在と未来を語ります。Save the Date.

11日のトークショー 奮ってご参加下さい。
半・分解展とスーツの未来について、今話題の現役若手テーラー達と語ります。

皆さまにお会いできることを、旧き衣服たちと共に楽しみにしております。



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